2015年4月14日火曜日

奇ゲー「東脳(とんのう)」のストーリーなど(若干ネタバレ注意)

突然ですが、僕は「奇ゲー」と呼ばれる種類のゲームが好きです。
「ゆめにっき」などが有名ですね。ああいうちょっとおかしなゲームを見るのが最近のマイブームです。
その中で、「東脳(とんのう)」というmac用ゲームのグラフィックなどがかなりキてた(褒め言葉)のですが、そのストーリーについてはあまり話されていないようだったので少し紹介したいと思います。(といっても序盤で手に入るアイテムに殆ど書かれてますけど)
配慮しますが、一応ネタバレ注意です。まあ今となっては手に入れる方が難しいですけど…
これが表紙です(amazonより)。中々禍々しいですね。

 このゲームの感想でよく聞くのが、「意外とストーリーはしっかりしている」というものです。なぜ「意外と」なのかというと、やはりそのグラフィックが原因でしょう。
何度も言いますが、このゲームのグラフィックはかなり刺激的です。まともなビジュアルの方が圧倒的に少ないです。
そこが最大の魅力であり、はっきり言ってこの記事だけではこのゲームの価値は分からないと思います。

ではストーリーの説明を。

 東の果てに(空中に)浮かぶ、生きた島「東脳(表紙の緑の頭)」。この島はかつて、まだ不完全な人間の弱った魂を呼び寄せ、清めて強い魂にして元に戻す役割を担っていました。
しかしある時を境に、見境なく魂を吸い取ってしまうようになります。魂を吸われてしまった者は徐々に衰弱し、死に至ります。
 このゲームの主人公「リン」も東脳に魂を吸われてしまった一人です。衰弱していく中、魂を取り戻す為に東脳へ旅立つ事を決意します。東脳にたどり着いたリンですが、東脳を探索する最中、あっけなく死んでしまいます
ところが薄れゆく意識の中、謎の声によりこれからリンが九度島の生物へ転生するという事、それぞれの生での使命を全うしていけば「本当の自分」に出会えるという事、そしてリンの魂は5つのマガタマに分かれており、島の5つの国に散らばっている事、それを全て集めれば魂が元に戻るという事が伝えられます。
 そうして輪廻転生を繰り返していくうち、島の異変の真相が明らかになっていく…
というのがこのゲームのストーリーです。



 さて、このゲームは五行思想を強く取り入れています。前述の通り、東脳とリンの魂は5つに分かれているのですが、それぞれは「火・水・木・金・土」の五つの属性に分かれています。
そこで、最後にこの五つの国について紹介したいと思います。
火:時間の国「シチェン」 

 東脳の生物の時間(=寿命)をつかさどる国。新たに島で生まれた生物は、まずここの灯台「トンタア」の頂上の電算室にある電算機に名前を登録される。この国には無数の蝋燭が立っているが、その火はそれぞれが島の生物の命を表しており、消えればその蝋燭に対応する生物の命も絶える。この国では電算機の決定によりこの灯を点けたり(=新たに寿命と灯をリンクさせ、時間(寿命)を計り始める)、消したり(=時間(寿命)を絶やす)しなければならないが、この火は自然に消えることはなく、モンチェンの水のみによって消すことができる。

国王はカギョウ(表紙左下)。


要するに東脳のすべての生物はコンピューターに運命を支配されているという、なかなかハードな設定です。
もっとも東脳の生物を見ていると特に深刻に思えない不思議。

水:夢見の国「モンチェン」

 ここの国民と国王は人間の夢を見ることに夢中だが、あまりにも人気が高い上に夢を見られる宮殿の「夢見の部屋」は一つしかなく、夢を見るために何年も待たされる様子。
そのため夢見の時間を邪魔するよそ者には厳しく、国や宮殿の入り口には見張り番や門番がいる。
最近、夢を取り出す器械の目玉が古くなったせいで夢があまり見られなくなっている。モンチェンの国民の夢への渇望は恐ろしく、夢を見られなくなったら耐えきれずに死んでしまう者もいるだろう。
そのため、目玉を新しいものに交換してくれる生物の誕生を、王すらも待ち望んでいる。

国王はスイギョウ(表紙右上)。


余談ですが、このゲームの作者、佐藤理さんは「LSD」というこれまた奇抜なゲームを手掛けています。
名前は違法ドラッグ丸出しですが、こちらは「夢」を題材としています。
恐らく、このモンチェンは多分にそれを意識しているのではないかと思います。

木:生命の国「ミンケン」

 東脳の生をつかさどる国。島の生物は全てここの中心にある生命の樹「ミンケシュ」から生まれる。また、東脳で死んだ生物は栄養となり、このミンケシュの根に集まる。ミンケシュはその栄養を使い新たな生物を生み出す。こうして東脳の生命は循環しているのだ。
生まれた生物の名前をシチェンの電算機に登録するのもここの国民の仕事。

国王はモクギョウ(表紙右下)。


 主人公も例外ではなく、転生する時は決まってこのミンケシュに出てきます。
また、モクギョウには裏の顔があります。(比喩ではなく)

金:欲望の国「ユイワン」

 欲望を黄金や宝玉に変える国王の能力のおかげか、どこもかしこも金色の国。中でも国王の城「さざえ城ロシャン」には黄金や宝玉だけでなく、食欲・破壊欲なども含む欲望の象徴が部屋ごとにコレクションされており、来訪者の欲望を煽り立てる。(食欲の部屋では食べては吐いてを繰り返す口だけの生き物が美食を、色欲の部屋ではポールのような生物の3人の妻がHなことを薦めてくる。)それを一度味わってしまえば、身を滅ぼす前にそこから抜け出すのは簡単ではない。中には不老不死の秘薬も…。

国王はキンギョウ(表紙左上)。


 ロシャンは手のひらサイズです。ただガリバートンネルよろしく入る者も小さくなるので問題はありません。
また宝を守る為なのか、入るにはトラップを解除しなければなりませんし、住人の数も非常に少ない国です。トラップは大岩ですが、インディジョーンズのように逃げる事は不可能です。

土:中心の山「トンノウ」

 入り口が封印されており、序盤は入ることができない。王は不明。


 まあ王の名前はみんな「属性+ギョウ(行)」なので、ある程度の推測はつきます。
 封印には、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・前・行列・在・前ではない)すなわち九字が刻まれています。
予言された転生は九回。つまりそういう事です。


こんな所ですね。あとは幻の市場「ホゥアン」もあり、そこでは物々交換ができます。
それでは、長々とお付き合いありがとうございました。

※人気記事につき、重度ネタバレ+考察ページを作成しました。一番下なのはせめてもの良心です。


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